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【ブラック体験記④】就活における性別差別と後付推薦の理不尽さについて

 私は15年卒の文系女子大生です。これまでの就活を振り返り、理不尽なことが多々ありましたので、その中 でも特にひどいと感じた選考を二つ、 この場を借りて発信したいと思います。

  ―事実上の女性門前払い― 私は元々、営業職を中心に就活していました。 メーカー系ルート営業を希望しており、機械系・精密機器系の業界で企業訪問をしていました。基本的に営業系は文理問わず募集しているところが多いものの、 私は書類選考で落とされることが多かったです。 最初は志望動機や自己PRの内容等、履歴書の書き方に問題があるのだと思って、落選する度に添削を繰り返してきました。

  そうしている内に、何社か書類選考が通過するようになり、面接まで進めるようになったのですが、とある企業面接で衝撃的な言葉を投げつけられました。 「うち、営業職で女性は採ってないんだよね」二次面接でのことです。 「こっち(採用担当)としては時流のこともあるから女性を採用したいのは山々だけど役員連中が許さないからねー」(ほぼ原文ママ)という しょうもない言い訳を面接開始30分後に聞かされ、その後不採用通知をよこしてきました。

 これは 後から分かったことなのですが、元々こういった業界では営業職に女性をとることがまずないようで、 実際私が選考を受けた企業で女性営業員は0人でした。同業他社は必ずしもその限りではありませんでしたが、まぁ五十歩百歩でしたので、結局この業界での就 職は断念しました。

 確かに、業界・企業研究が疎かだった私にも至らない点はあったと思います。 ですが、例の企業に至っては、二次面接に至るまで説明会→書類選考→一次面接、と3段階もの選考を踏んでいて、その全てで営業職を希望していることを伝え ていたのです。 にも関わらず、このような対応を受けたことは、どう考えても理不尽だと私は思います。そもそも、職種によって採用者の性別を限定するのは違反なはずです。 企業側もそれを知っているからこそ、後ろめたさからあえて女性従業員の人数を公表しなかったりするんでしょうね。 もう今となっては諦めていますが、当時は説明会や幾度も行われた選考会にかかった交通費と時間を返してほしい気持ちでした。

  ―後付推薦制度― とある製薬企業の営業職での選考のことです。必要書類(履歴書・学業成績証明書・卒業見込み証明書・健康診断書)の提出をもって書類選考が行われ、そのご 面接が2度ありました。提出期限日が記載場所によってズレがあるとか(一方では○月□日迄とあるのに、別の場所では○月△日迄となっている) 集団面接で面接官が学生によってあからさまに態度を変えるとか、まぁ色々思うところがあった選考でしたが、何とか内々定を頂くことができました。

  合格通知は電話で頂いたのですが、その際「内定通知書を郵送するので、同封している誓約書を【学校推薦書と合わせて】期日までに返送するように」と 告げられました。 元々自由公募での選考だったのに、後になって推薦書がなければ内定はださない(しかも辞退は認めない)と言ってきたのです。 私はこの時点でさすがに不信感を抱き、結局返送せず内定辞退しましたが、このようなことは「後付推薦制度」という一つの選考・採用スタイルとして定着して いるそうですね。理系の研究・開発職が専らで、私の場合のような文系採用ではまれなようですが。

  企業側の推薦制度の悪用にも腹が立ちましたが、それ以上に失望したのは大学も世間の就職コンサルタント()等の方々も容認していることです。 大学で推薦書を発行する際の書類に、提出時期の記入欄(選択式)があるのですが、当然のように「1:エントリー時 2:選考途中 3:内定後」とありまし た。しかも、就職課の方からも「推薦書をだすと内定辞退は許されない」としつこく警告するものの、推薦書の発行を拒否するどころか、このタイミングに推薦 書を求めてくる企業に対する疑問も一切ありませんでした。 ネットで検索してみても就活の基本知識を載せたページ等に当然のように後付推薦の項目があり「内定辞退はできないから提出には慎重に」という注意書きのみ で、その異常性を指摘している所は、2ちゃんねるのスレッドを含めても数えるほどしかありあせんでした。

  こんなメリットが企業側にのみに偏っているような、就活生を虐げているに等しい制度は即刻、廃止すべきです。 そもそも、推薦書があるから内定辞退不可、なんて法律では定められてないし、大学や教授、企業側のメンツのためだけに学生の職業・企業選択の自由を奪うな んて理不尽だと私は考えます。後付であれば尚更ですね。

 たった二つ事例を書いただけなのにこん な長文となってしまいました。ただ、この事例に限らず、就活において就活生の負担・ダメージが大きすぎるのではと思 います。これは、現行の就活システムが採用側目線でつくられており、そこに就活生の意思や彼らに対する配慮が実質ないからでしょうね。 今年の就活はブラック企業問題が顕在化してきたり、景気の関係もあって、例年よりマシだとあちこちで聞かされましたが、私としては「これでマシなのか よ・・・」というのが正直なところです。

 就活に限らず、労働環境に関しても政府の介入は法の厳正 化での改善を求める声が大きいです。勿論、それで改善されたら喜ばしいのですが、 可能であれば、政府に強く言われなくても企業がコンプライアンスを徹底したり、企業本位でない合理的かつ節度を持った採用活動を心がけて欲しいです。 それこそ「若者の甘い考え」なのかもしれませんが「厳しい罰がなければルールを守らない・可能な限りズルをする」というような姿勢では、いい大人の集団と して恥ずかしいのでは、と私は思います。 ここまで読んで頂きありがとうございました。

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